かき氷の季節がやってきました!

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こんにちは。
はだしの家のシバです。
突然ですが、皆さんにとって、
「好きなものを見つける」とは、どういうことでしょうか。
好きな色を選ぶこと。
好きな家具を見つけること。
憧れの住宅写真を集めること。
もちろん、それも「好き」を知る方法のひとつです。
けれど、本当の意味で好きなものを見つけることは、
流行しているものの中から、正解を探すことではないように思います。
見た瞬間、なぜか心が動く。
何度見ても、やっぱり気になる。
理由はうまく説明できないけれど、そばに置いておきたい。
そんな自分の小さな反応に、
丁寧に気づいていくことなのではないでしょうか。
スティーブ・ジョブズの言葉に、
“You’ve got to find what you love.”
「自分が本当に好きなものを見つけなければならない」
というものがあります。
好きなものは、誰かに教えてもらうものではありません。
有名だから。
人気だから。
SNSでよく見るから。
周りの人から褒められそうだから。
そうした基準で選んだものが、自分の心まで満たしてくれるとは限りません。
本当に好きなものは、もっと個人的です。
少し暗くて落ち着く空間が好きな人もいれば、
朝の光がいっぱいに入る空間が好きな人もいる。
木の節や色ムラに惹かれる人もいれば、
余計なもののない端正な空間に心が落ち着く人もいる。
「なぜ好きなのですか」と聞かれても、
すぐには答えられないこともあります。
それでも構いません。
言葉より先に、感性が反応している。
その感覚こそ、自分らしい家づくりを始める大切な手がかりです。
住宅の写真を見ていると、
思わずスクロールする手が止まる一枚があります。
大きな吹き抜けがあったからでしょうか。
無垢材の床に、やわらかな光が落ちていたからでしょうか。
深い軒がつくる陰影や、
壁と天井の美しいつながりに惹かれたのかもしれません。
あるいは、写真の奥に見える暮らしそのものに、
心が動いたのかもしれません。
その理由を、すぐに説明する必要はありません。
気になった写真を保存し、並べてみる。
すると、少しずつ共通点が見えてきます。
木の多い家が好き。
光と影がある空間に惹かれる。
開放的だけれど、落ち着きもほしい。
新しくても、どこか懐かしい雰囲気が好き。
一枚では分からなかった自分の感性が、
何枚もの写真を通して輪郭を持ちはじめます。
好きなものを見つけるとは、
新しい何かを探し当てることだけではありません。
すでに心の中にある感覚を、少しずつ確かめていくことでもあります。
注文住宅では、たくさんのことを決めます。
間取り、外観、床材、壁、建具、照明、キッチン、家具。
選択肢が多いからこそ、途中で何が好きなのか分からなくなることもあります。
そんなときは、商品の種類やデザインから考える前に、
「どんな時間を心地よいと感じるか」
を考えてみてください。
朝、静かな光の中でコーヒーを飲みたい。
休日は、家族が同じ空間にいながら、
それぞれ好きなことをして過ごしたい。
好きな本や音楽に囲まれ、
一人になれる小さな場所がほしい。
外の景色を眺めながら、何もしない時間を楽しみたい。
家づくりで大切なのは、
好きなデザインを詰め込むことではありません。
自分が好きな時間を、建築によって支えること。
そこに、注文住宅の本当の価値があると思います。
イギリスの思想家でありデザイナーでもあったウィリアム・モリスは、こんな言葉を残しています。
“Have nothing in your houses that you do not know to be useful, or believe to be beautiful.”
日本語では、
「役に立つと分かっているもの、美しいと信じるもの以外を、家に置いてはならない」
という意味です。
この言葉は、家づくりにも通じています。
便利だから採用する。
美しいから取り入れる。
どちらかだけではなく、
日々の暮らしに役立ち、自分自身が美しいと思えるものを選ぶ。
それは、設備や家具だけの話ではありません。
動きやすい家事動線。
落ち着ける天井の高さ。
外からの視線を遮りながら、光を取り込む窓。
手で触れたときに心地よい無垢材。
夜になると、やさしい陰影をつくる照明。
機能と美しさが自然につながったとき、
住まいは長く愛せる場所になります。
好きなものが分からないときは、
自分が時間を忘れてしまうことを考えてみるのもひとつです。
本を読むこと。
映画を見ること。
音楽を聴くこと。
バイクや自転車を整備すること。
料理をつくること。
植物を育てること。
趣味には、その人の感性や価値観が表れます。
だから、趣味部屋は単なる余分な一室ではありません。
好きな本の寸法に合わせてつくった本棚。
音や光まで考えたシアタールーム。
愛車を眺めながら過ごせるガレージ。
道具を美しく並べられるアトリエ。
その場所を見るだけで、
「この家には、この人が暮らしている」と分かる。
そんな住まいは、誰かの正解を再現した家ではなく、
住む人自身の物語が表れた家です。
好きなものが分からなくても、
苦手なものは意外とはっきりしていることがあります。
明るすぎる空間は落ち着かない。
生活感がすべて見えるのは苦手。
細かく仕切られた間取りは窮屈に感じる。
無機質すぎる空間には緊張する。
こうした感覚も、家づくりでは大切です。
「これは違う」と感じた理由を考えることで、
自分が本当に求めているものが見えてきます。
生活感が見えるのが苦手なら、
隠せる収納や裏動線が必要なのかもしれません。
明るすぎる空間が苦手なら、
光を抑える深い軒や、落ち着いた照明が合うのかもしれません。
好きなものだけを無理に探さなくても、
違和感をひとつずつ取り除いていけば、
自然と自分らしい答えに近づいていきます。
家は、何十年と暮らし続ける場所です。
家を建てたときに好きだったものが、
10年後、20年後もまったく同じとは限りません。
家族構成も変わります。
趣味も変わります。
心地よいと感じる距離感も変わっていきます。
だからこそ、最初からすべてを完成させすぎないことも大切です。
家具の置き方を変えられる余白。
用途を限定しすぎない小さな部屋。
家族の成長に合わせて使い方を変えられる空間。
住む人の「好き」が変化したときに、
家も一緒に変わっていける。
そんな未完成の余白を残すことも、
長く愛せる住まいをつくる方法です。
注文住宅には、最初から決められた正解がありません。
家族の人数が同じでも、
同じ広さの土地でも、
心地よいと感じる暮らしはそれぞれ違います。
だからこそ、私たちは間取りを描く前に、
何を大切にしているのか。
どんな時間が好きなのか。
どんな場所にいると落ち着くのか。
そんな話を丁寧に伺いたいと考えています。
好きなものを見つけることは、
特別なセンスを身につけることではありません。
誰かの評価から少し離れ、
自分の心が動いた瞬間を見逃さないことです。
光の入り方。
素材の温度。
静かな余白。
家族の気配。
一人になれる時間。
それらを一つずつ集め、建築として形にしていく。
注文住宅とは、家を建てるだけではなく、
自分たちが本当に好きな暮らしを見つける時間なのかもしれません。
好きな理由を、最初から完璧に説明できなくても大丈夫です。
「なんか好き」
「ここにいると落ち着きそう」
「こんな時間を過ごしてみたい」
その小さな感覚には、
その人らしい暮らしをつくるヒントが隠れています。
流行している家ではなく、
誰かに褒められるための家でもなく、
住む人が何年経っても、
「やっぱり、この家が好き」と思える住まいへ。
好きなものを見つけることは、
自分らしく生きることに、少し似ています。
そして、その感性を暮らしの形にできること。
それこそが、注文住宅の面白さではないでしょうか。