LIFE & ARCHITECTURE / VOL.01

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世の中には、ずいぶんと新しいものが増えた。
新しい車、新しい服、新しい家具。
そして、新しい家。
人間というものは、どうも新しいものが好きらしい。
古くなれば買い替え、使えなくなれば捨てる。
家でさえ、その例外ではない。
日本では、取り壊された住宅の平均築後年数は、2018年の調査で約38年だという。
三十八年。
人の一生から考えれば、決して短い時間ではない。けれど、木が育つ時間や、自然がつくり出す年月に比べれば、あまりに短い。
一本の木が育つには、長い時間がかかる。
その木を伐り、乾かし、運び、職人が手をかけて、ようやく一本の柱になる。
そうして出来上がった家が、たった数十年で瓦礫になってしまう。
一体、私たちは何をつくっているのだろう。
SDGsという言葉を、最近よく耳にする。
省エネルギー、再生可能エネルギー、リサイクル。どれも大切な取り組みである。
しかし、その前に考えてみたいことがある。
そもそも、壊さなくてよいものを、壊さないこと。
新しいものを生み出すことばかりに目を向けず、今あるものを大切に使い続けること。
家を一棟建てるには、木材だけではない。土も、石も、鉄も、さまざまな資源が使われる。人の手も、時間も、エネルギーも必要になる。
それならば、長く住み続けられる家をつくることには、どれほどの意味があるだろう。
壊して、また建てる。
その繰り返しを、少しでも減らすことができたなら。
家を長く残すことは、単なる節約ではない。
そこに使われた資源を、無駄にしないということでもある。
私たちは、自然素材を使う。
それは、自然に近いものだからという理由だけではない。素材が持つ本来の美しさを、年月とともに育てていきたいからだ。
新築のときが最も美しい家ではなく、十年後、三十年後、五十年後にも、その家に住む理由があること。
そして、いつか誰かがその家を受け継ぎ、また新しい暮らしを始めること。
それこそが、私たちの考える持続可能な家づくりである。
環境のために何かを始めることも大切だろう。
けれど、環境のために、まず何かを壊さずに済む方法を考えてみる。
家を残すこと。
それは、過去を大切にすることであり、未来に余計な負担を残さないことでもある。
新しい家を建てることが、家づくりのすべてではない。
百年先にも、そこに家がある。
そんな未来をつくることこそ、私たちが考える、何よりも大切なSDGsなのかもしれない。